御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
「大丈夫、です」
「よかった。じゃあ俺外で待ってるね」
そう言って氷上くんは部屋の外へ出て行った。
ドクドクドクドク・・・
びっくりしたー
氷上くんがあんなこと言うなんて。
冗談に決まってるじゃん。間に受けるなよ私もっ。
ちょっとずつ心臓が落ち着いてくるのを感じながらスカートを履き替えた。
・・・・・・ぴったりだな。
クローゼットを開けてみると、何着あるのってくらい沢山の予備の制服。
ここから一発で?
・・・もしかして、女慣れしてるのか?
いやでも、藤堂さんいるしな。
あ。お金持ちの世界ではそういう相手がいても遊んでるとか?
いや・・・・・・・・・あり得る、か。
でもだめじゃん!
大切な人がいるのに、あんなこと他の女に言うなんて!
説教だ説教!
御曹司だけど、人としてね、友達としてね、ちゃんと言ってあげねば。
そう意気込んで私は保健室を出た。