御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「大丈夫、です」

「よかった。じゃあ俺外で待ってるね」


そう言って氷上くんは部屋の外へ出て行った。



ドクドクドクドク・・・


びっくりしたー


氷上くんがあんなこと言うなんて。


冗談に決まってるじゃん。間に受けるなよ私もっ。


ちょっとずつ心臓が落ち着いてくるのを感じながらスカートを履き替えた。


・・・・・・ぴったりだな。


クローゼットを開けてみると、何着あるのってくらい沢山の予備の制服。


ここから一発で?


・・・もしかして、女慣れしてるのか?


いやでも、藤堂さんいるしな。


あ。お金持ちの世界ではそういう相手がいても遊んでるとか?


いや・・・・・・・・・あり得る、か。


でもだめじゃん!


大切な人がいるのに、あんなこと他の女に言うなんて!


説教だ説教!


御曹司だけど、人としてね、友達としてね、ちゃんと言ってあげねば。


そう意気込んで私は保健室を出た。


< 14 / 165 >

この作品をシェア

pagetop