御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


声がした方を振り返ると隣のジュースディスペンサーにコップを置いた加瀬くんがいた。


「真似しないでね、加瀬」

「しねーよ。俺はメロンソーダ派だから」


2人が揃うとちょっと空気がバチバチする。


「まぁ、また高沢を泣かせることがあれば、一緒にカルピスソーダ飲むのは俺だけどな」

「残念。加瀬は一生メロンソーダだよ」

「っ・・・はいはい、ごちそうさま。もう邪魔はしないから、どうぞごゆっくり〜」


片手を払うようにヒラヒラとさせ加瀬くんは友達の待つ席へ戻って行った。


私たちも席へ戻ると、のんちゃんが顔を真っ赤にしていた。


「のんちゃん?どうしたの?」

「こ、こいつが・・・こんな所でっ、キ、キ・・・」
 
「キスしたんだよね?ほっぺに」

「ふざけるなっ!」

「だって可愛すぎる森下ちゃんが悪いよ〜」


はは、相変わらずだ。


思わず苦笑い。


でも、この何でもない日常が幸せだなぁと思う。

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