攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
 アランからは元は平民の、男爵家の養女だと聞いていた。
 自分と同類か、とグレンジャーは思った。
 確かに貴族のご令嬢らしからぬ話し方と距離の詰め方だ。
 ミシェルはグレンジャーの腕に手を添えていたからだ。

 瞬きもせずに、下から顔を覗き込んでくるその様子に。
 ウェズリーがやられたのはこれか、と思う。
 アランからはそんな入れ込んだ感じは受けなかったし、後はウェズリーの友人のモイヤー伯爵家のマーク・パクストンも仲良くなったが、ウェズリーに隣を譲っているようで。
 

 その結果、一番そうなったらまずい立場の、婚約者持ちのウェズリーが、この子にハマってしまったらしい。
 グレンジャーはさりげなく、ミシェルの手を外しながら。


「魔法科1年のグレンジャー・オルコットだけど。
 君、普通科でしょ?
 どうしてここに来てるの?」

「話があるから、って呼び出されて……
 割りと校舎裏って、男子からよく呼び出されるから、今回もそれかな、って」


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