攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第10話

 その少女に会ったのは、高等部に進学して、1ヶ月が経過した頃だろうか。

 放課後、魔法科校舎の裏でびしょ濡れの少女を見掛けた。
 10月はまだまだ暑い日もあるけれど、制服のまま水浴びする馬鹿は居ない。
 しかし残念ながら、この貴族学苑には気にくわない人間に、制服のまま水浴びさせる馬鹿は居た。


 基本的に誰に対しても親切なグレンジャーは、見て見ぬ振りが出来なくて、彼女の側へ行き、黙って風魔法で乾かしてやった。 

 それで惨めに自分の肩を抱き締めていた濡れネズミは、可愛いお姫様に戻った。
 ストロベリーブロンドのふわふわした髪、淡いブルーの瞳。
 とてつもなく綺麗な女の子だった。


 あぁ、この子か、と思う。
 普通科に今年から入学してきた超美少女、って。
 男共が軒並みやられて、女子達から妬まれている、らしい。


 昨日会ったアランが言っていた。

『早くもウェズリーが隣をキープしてる』って。



「ありがとうございます。
 助かりました……あの、ミシェル・フライって言います。
 名前を聞いてもいいですか?」
< 29 / 97 >

この作品をシェア

pagetop