攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第22話

 王族専用室に軟禁されて、全く状況が分からずイライラしていたオスカーは、いきなり現れたグレンジャーに腰を抜かした。  

 予告もなく現れた友人に、クールなオスカーが腰を抜かすなんて。
 非常時だとわかっているが、グレンジャーはつい笑ってしまった。


「グレンジャー・オルコット、参上!」

「おま、お前、何で!」

「これが魔法です!」

 
 目の前に、オスカーのペンを差し出した。
 以前、オスカーから借りパクしたペンを利用して、転移魔法で彼の元に現れたのだ。


「それでこの場所が分かったのか……
 あのさ、何で俺は閉じ込められてる?」


 軟禁された事情が全くわかっていない彼に、グレンジャーが手短に。
 アランから聞いた事実と憶測を交えながら語った。


「ロージーが誘拐?」

「そんなことを叫んでたらしいよ?」

「くそっ、くそっ、あいつら、俺を騙したのか!」

 途端に怒りを隠さずに、オスカーが部屋の中を歩き回った。



「いや、待て。
 落ち着け……チカ先生はそんなひとじゃない」


 3周ほど回って、気持ちを落ち着けると、自分に言い聞かせるように、独り言を呟いている。

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