攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!
 それを聞いて安心したのか、オスカーが大きく息を吐いた。




「おー、カール! こっち、こっち!」


 目ざとくカールを見つけたオスカーが大きく手を振った。
 久し振りだからか、カールもなんとなく恥ずかしげで。
 事故当時は登場していなかったから、カールは転生者じゃないけれど。
 こいつの推しもお前みたいだわ、とグレンジャーは同類の匂いがした。


 目立つ中庭に居るからか、今度は騎士科からアランが来て。
 普通科のウェズリーとマークが『俺等も誘えよ』と合流する。

 あの、皆が手探り状態だった、ごちゃ混ぜの日々が思い出された。



 「じゃあ、来週は皆に声掛けるか、グレン?」

 推しが良い声で、親友グレンジャーにお伺いを立ててくれるので。


 

 人の心を動かすもの、に関わりたい、と。
 オスカーは、はっきりと言ったけれど。
 オスカー自身が人の心を動かしてんの、分かってんの?




 自分のことを一番よく分かっていないオスカーの、親友枠に収まったグレンジャーは。


 これからも推しを見守らせて貰います! と固く固く。

 どこかで見ているかもしれない、多分今日も全身白コーデの神様に誓った。


 


   おわり


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