星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜
絆が、ずっといとこである小宮山光里(こみやまひかり)と共に過ごしたイギリスではなくアメリカで働いているのかというと、オスカルと彼の職業が関係している。

オスカルはFBI捜査官で、絆は犯罪心理学を大学で学んでいたこともあって、光里の事件が解決した後も時々事件のプロファイリングをしていた。

『絆、大学を卒業したらアメリカに来てよ。いつまでも遠距離なんて嫌だし、これからもプロファイリングしてほしいから。ね?お願い!』

進路をどうするか悩んでいると大学時代に絆がポロリと口にした時、オスカルにそう言われたのだ。懇願する彼の姿はまるで、飼い主が出かける際に自分を連れて行ってほしいと騒ぐ犬のようだった。

『あたしも恋人といつまでも遠距離は嫌ですし、その、アメリカ行ってもいいですよ』

そう絆が返した時のオスカルの喜びようは激しく、強く抱き締められて何度もキスをされたほどだった。

オスカルは「一緒に暮らさない?」と言ったものの、絆は「まだただの恋人同士ですから」と断り、オスカルの住んでいるマンションの隣にあるマンションに部屋を借りた。
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