極上の愛を君に
「輝煌くん」
ちらっと、私を見る輝煌くん。
「一応、書いてみたんだけど……」
輝煌くんにそれを見せる。
白い紙に書いたのはこう。
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ヴァンパイアカフェ☕✧
・メイド衣装有り・
⭐チョコレート・ストロベリーカフェ ¥320
⭐カフェ・オレとクッキーセット ¥210
⭐ミルクコーヒー ¥100
⭐イチゴオレ ¥120
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輝煌くんは、それを受け取り見る。
「うん、いいんじゃないか。俺は、帰る」
輝煌くんは、教室から出ていった。
「ん、もー」
私は、ペンケースをカバンの中に入れ肩にかける書いた白い紙を手に持ち教室を出た。
職員室。
ガラガラ
「失礼します」
「あら、姫華ちゃん。まだ、残っていたの?」
「はい、文化祭の出し物でカフェをすることになって、……それで」
「そう、あ、穹(そら)先生」
丁度、担任の先生がひょこと自分のデスクから顔を覗かせた。
穹先生は、男の先生。
クラスでは、人気だ。
それと、最初に話しかけた先生は、緑(みど)先生。
緑先生は、図書館の先生。
良くしてくれている女の先生で、女子の人気者。
私は、穹先生のもとに行く。
「これを、渡しにきました」
「おー、ありがとう。輝煌は」
「先に帰りました」
「たく、あの輝煌は。姫華気をつけて帰ろよ。夜は、……」
穹先生が、私に小声で言う。
「吸血鬼がうろついてるから」
「!」
「じゃ、また明日な」
「……はい」
私は、職員室を後にした。
吸血鬼?!吸血鬼がうろついてる?!
本当に吸血鬼がいるんだ……
私は、少し興奮した。
そういっえられない、こうしているうちに段々と夜になっていく。
早く帰らなきゃ。
玄関に行くと、上履きから外履きに履き替えて学校を出る。
と、先に帰った輝煌くんが校門の前で待っていてくれていた。