れんれんと恋するための30日


蓮は綿密に計画を立てて準備万端だった。
幸に荷物が多すぎと笑われたけれど、そんなこと言っていられない。
もう10月に突入しようとしている今日、俺達は海で泳ぐんだから。

電車を二回乗り継ぎ、駅からまたバスに乗った。
かれこれ二時間近くかかって、蓮と幸はやっと海へたどり着いた。
蓮は人が少ない綺麗な砂浜の海を選んだ。
幸に透き通った最高の青い海を見せてあげたい。


「れんれん、綺麗…
海って、こんなに青くて広くて穏やかなんだ」


幸の感動してずっと海を眺めている。
蓮は持ってきたレジャーシートを日陰に敷き、その上に荷物をおろした。


「海だ~~」


蓮はそう言うと幸の手を取り、海へ向かって走り出した。
幸も楽しそうに砂浜を走りながら、でも、突然、蓮の手を離した。


「幸?」


蓮はすぐに幸を追いかける。
すると、幸は洋服を着たまま海へ入ろうとしていた。


「ちょっと、待った~~ 
幸、ストップ!!」


蓮は猛ダッシュで幸に追いつくと、ひざ下まで入りかけた幸を捕まえて砂浜へ押し戻した。


「まだ早いって。
水着に着替えなきゃ…」


まるで、幸は海を恋しく思っていた人魚姫のように、海の魅力に憑りつかれている。

蓮は最終決断を下すしかない。
マジで泳ぐ気だな…



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