れんれんと恋するための30日
さようなら、また明日…


それからのつかの間の日々は、普通の日常として過ぎて行った。

学校での生活…
授業中、友達との手紙のやりとりにびくびくする緊張感や、男子が先生のモノマネをして笑わせてくれる休み時間、梨華と拓巳と三人で食べるお弁当も、福にとっては、どれもこれもがかけがえのない最高の時間だった。

幸の代わりにこの学校へきてたったの一か月だけど、本当に素敵な高校生活を送ることができた。


「幸は今、大石蓮とつき合ってるの?」


仲良し三人組でお弁当を食べていると、梨華が、突然、そう聞いてきた。


「うん、実はそうなんだ。
れんれんも透子さんと別れて、それでそんな風になっちゃった」


梨華は、何も言わずにお弁当を食べている拓巳を見ている。


「拓巳、それでいいの?」


梨華はしびれを切らして、拓巳にそう問いかけた。


「しょうがないよ。
幸が決めたことだから。
それに、大石蓮ってチャラいだけじゃないのは分かってる。
思ってたよりいい奴だった…」


福は黙っていた。
今は幸と蓮はつき合っているけれど、これから先は分からない。
その先の未来は幸が決めることだから…


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