れんれんと恋するための30日
9月30日、この日は水曜日のためにバイトがある日だった。
福は放課後に漫研部に顔を出し、少しだけ部員の仲間と話した。
ここ最近、道は部室に顔を出してないらしい。
きっと、透子の絵の制作に励んでいるに違いない。
拓巳もそこにいて、久しぶりに拓巳の漫画を見せてもらった。
「私、拓巳の描く漫画が大好き。
これからも漫画は続けるの?」
「続けるよ。
これが唯一の俺らしさだから」
福は拓巳の描いた絵を、何度も見る。
「私は、ずっと、拓巳の事応援するからね」
拓巳は鼻で笑って、サンキューと言った。
福は、もう一度、漫研部の部室を見回して、そして、そこにいる部員の皆に大きな声で言った。
「じゃ、皆、私は先に帰るね…
じゃあね…
さようなら、また明日」
部員の仲間から色々な声が飛び交う。
「じゃあな」
「また明日」