れんれんと恋するための30日


蓮は泣き止まない福を優しく抱きしめた。
抱きしめたまま、手を掲げてスマホの星空を映し出してくれる。

もう、朝には消えてしまうのなら、神様、こんなことを言う福を許して下さい。

神様…
なんで、福は七歳で死んでしまったのでしょう?
本当はもっともっと生きたかった。
愛する家族や、れんれんや、たくさんの人に囲まれて成長したかった。

神様…
福は何か悪いことでもしたのでしょうか…?


「あ、幸、ほら、星が出てきた。
見える? あの雲の隙間から」


福は涙をぬぐって、夜空を見上げてみた。
見る見るうちに雲が流れ、暗闇の下から小さな星の明かりが顔を出す。

福はやっと笑顔になれた。
神様はいつも福を見てくれている。
福に心残りがないよう、笑顔で天国へ帰れるよう、この星空を見せてくれた。


「れんれん、今日は本当にありがとう。
嬉しすぎて涙が止まらないよ」


蓮は星空を見上げる幸をずっと見ていた。


「幸、今度の週末に幸の誕生日プレゼントを一緒に買いに行こう。
なんでも買ってやるからさ。
欲しいもの、ちゃんと考えといて」


福は空を見上げたまま頷いた。

そう…
これからも幸と蓮の物語は続いていく…
福は、この30日間、夢を見させてもらったの。
大好きな幸の体を借りて、大好きなれんれんと恋をする素敵な夢を…

もう、心残りなんてない…
だって、一番憧れていた七つの夢を、れんれんが叶えてくれたから。


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