れんれんと恋するための30日


「泣くなよ」


「うん、れんれん、ごめんね…
今の幸は、れんれんの事が大好きでれんれんの彼女になりたいと思ってる。

でも…」


福はあふれ出てくる言葉を必死に飲み込んだ。
…でも、一か月後の幸は、もしかしたら拓巳が好きかもしれない。


「でもって? 何?」


「私はれんれんが好き…
 れんれんにあんなに綺麗な彼女がいても、その気持ちは変わらない」


蓮は胸がキュンとした。。
心がざわつく原因は分かっている。
幸が可愛くてしょうがない。


「じゃ、安藤は?」


「拓巳はさ…
拓巳は大切な人なの、親友なんだ」


親友? 都合のいい言葉だよな。
って、その前にそんなこと俺が言えるのか? 
透子っていう綺麗な彼女がいるやつが…


「ま、いいよ。
俺達がつき合うなんてあり得ないことだから」


「そんなことないよ。
そんなこと分かんないじゃん」


「そんなことあるよ。
だって、俺には透子っていう彼女がいるんだから」


「透子さんが素敵なのは分かるけど、明日にはれんれんは幸の彼氏になっているかもしれないよ」


蓮はゾッとした。
幸にメロメロになってしまうのも、もしかしたら時間の問題なのかもしれない。


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