れんれんと恋するための30日
“リロキッチン”は土曜日の夜ということで、もの凄く混んでいた。
外にまで行列ができているくらいだ。
福は休む間もなく働いた。
普段よりホールのバイトの人数は多めだけれど、それでも全く人が足りていない。
そして、歯がゆいことに、その半分は蓮目当ての客だった。
「今日、蓮君いますか?」
あちらこちらでそういう質問が飛び交った。
「いませ~ん」
福は笑顔でそう対応しながら、忙しく走り回った。
そして、八時が過ぎる頃になると店の混雑も落ち着き、福も他の従業員と話ができる程度の余裕ができていた。
今日は九時までのシフトだから、あともう少し頑張ろう。
そう自分に言い聞かせレジの精算の仕事をしていると、一組のカップルが店に入って来た。
「幸、頑張ってる?」
そこに立っていたのは、蓮と透子のカップルだった。
ファッション雑誌から飛び出してきたような二人は、ため息が出るほどカッコいい。