れんれんと恋するための30日
蓮は白の長袖Tシャツに黒のジレベストとボトムスはカーキのジョッパーズという組み合わせで、ベージュのフェルトハットをかぶっている。
そして、透子はガーリー系の白色のレースのワンピースを着ていた。
細くて長い脚、ちょっとヒールの高いショートブーツを合わせているところがお洒落の上級者だ。
透子の明るめの髪は、緩いカールが毛先で踊っている。
二人に目が釘付けになっている福に、蓮が話しかけてきた。
「今日、忙しかっただろ? ごめんな。
で、一番奥の目立たないボックス席って空いてる?」
福は、「どうぞ」と言って二人を案内した。
席に落ち着いた二人を確認してその場から離れようとした福に、透子が声をかけてきた。
「幸ちゃん、初めまして。
今日は幸ちゃんと友達になりたくて、蓮にここへ連れてきてもらったの」
「友達ですか?」
透子は福をずっと見つめている。
福は戸惑いながら、蓮を見た。
蓮はバツの悪そうな顔をして、ちょっとだけ肩をすくめる。
「あ、はい、私でよければ喜んで。
でも、ごめんなさい、まだ、仕事の途中なので…」
福はそう言って頭を下げ、奥のホールへ戻った。