私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編



移動はゆっくりだった

雄斗のお兄さんであろう人がチラチラ後ろを振り返りながら歩いてくれているおかげで私のペースで歩くことが出来た


「じゃ、今回は部屋で話すな」

そして部屋の中に入った


「えーと………じゃあまず自己紹介しとこうかな
 俺は雄斗の兄の下山奏斗です
 よろしくな!」

やっぱり……この人が……

どことなく雄斗に似ている気がする………

「香音、奏斗女遊び激しいから
 気を付けろよ?
 近づいたらダメだからな?」

「ちょっ、お前やめろって
 そんなことないから
 女遊びなんてしてないし!」

「どの口が言うんだよ
 彼女取っ替え引っ替えしてたくせに」

「はぁ?
 いつの時代の話だよ
 それか、あれか?
 まだ根に持ってるのか?
 お前の彼女取って」

「別にそんなんじゃねーし」

「あー、やっぱりそうか!
 悪かったな!
 お前の彼女取って
 大好きだったもんなー」

「うっせ!
 てか、取ってくれて良かったし!
 もっと大好きな奴見つけたし!」

「おぉ………また取ってやろうか?」

「はっ?
 やめろ
 今度こそ許さないからな
 香音だけは絶対に譲らないから」

そう言って私の前に雄斗がたった
私を守るように

「へぇ…………まぁそれはこの子が決めることだもんな?
 どう?雄斗捨てて俺の方に来ない?」

そして私に近づいて来た

私の瞳に問いかけるように


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