私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「奏斗先生………何でそんなに………優しいんですか……?」

「……別に優しくなんかねぇよ
 香音の努力が純粋に凄いと思っただけだ
 普通校で過ごすのは………大変なはずなのに………それだけでも凄いのにさ
 体育までやってるとか………相当な努力がないと出来ないだろ
 しかもあんな偏差値高い高校に合格できるくらいに成績も取り続けるとか………俺には無理だわ………」

「…………やっと分かってくれる人に出会えた………今までずっと…………出来て当たり前って感じだったから…………だから………頑張ったのに…………体育も………止めろって言われるし………………出来ないなんて………言えなかった…………成績も………頑張れば頑張る程………求められるハードルが上がっていって…………辛かった…………」

「そうだよな………香音は頑張ったもんな
 もういいからな………そんなに頑張らなくて
 出来なくたっていい
 俺達がサポートする
 そのために教師がいるんだから」

「うぅ………奏斗先生…………」

「ほらー、泣くなって
 俺じゃ何にも出来ないからな?
 泣くなら雄斗の前で泣け
 そんで雄斗に甘えてこい」




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