私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「香音………」
「雄斗は……お前みたいな事しないんだよ…!
お前なんかとは違うんだよ!」
「………………………」
「お前のせいで………お前のせいでお母さんは……!
殺せ………早く殺せ…!
お母さんのところにいかせて…!」
「香音……それは無理だよ……」
「早く離せ…!
死なせろ…!
離せ……離せ……離せ……!
アァァァァァ………!」
そして再び激しく暴れた
俺は…………ただ見守ることしか出来なかった
今ここで………何かを言っても香音には届かない
届いたとしても………本来の言葉ではなく………香音を苦しめるような言葉で届く……
俺を………誰かに重ねている
今………香音を苦しめている奴に………
ただ………香音が自殺しようとした理由は分かった
お母さんのところに………いくためだったんだ………
今一番………信じているのは…………お母さんなんだよな…………