私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


それから香音はまた言葉を発することはなかった



そして1週間が経った








ある日、俺は香音のお父さんと話をした

「下山先生………無理して香音と一緒にいなくていいんですからね…?
 香音とは別れて………他の女性とお付き合いされても……かまいませんから………」

…………どうして……そんなことを………

俺は……香音の側にいちゃダメなのか……?

「それは………香音と別れてほしいってことですか…?」

「決してそういう訳では…………ただ…下山先生も忙しいはずなのに……俺達家族よりも香音のところへ来ている……
 香音ばかりに気を取られて……自分のことがおろそかになってしまってないのかなと……
 下山先生に……これ以上…迷惑かけたくありませんから……」

「大丈夫です
 ちゃんと自分のこともやってますよ」

「…………………婚約されたと言っても……まだ正式に結婚したというわけではありません……
 引き返すなら………今ですよ……」

「……………俺は香音とただ一緒にいたいからいるんです
 決して無理などしていません」

「………………………」

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