私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「………………………ケホッ……」
香音は口を動かした………けど咳き込んだ
本当は………何か喋りたかったのかな……
「香音………大丈夫
焦らなくていいから」
「………………………」
香音はずっと口を動かし続けた
でも……それが声として発されることはなかった
「…………ヒック…ヒック…………」
ついに香音は泣き出してしまった
「大丈夫だよ………絶対に治るから…
すぐに声出るようになるから……」
「………ヒック…………」
「大丈夫………大丈夫……
焦るな……焦らなくていい………」
そして抱きしめ続けた