私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編


「へー、結構好きなんじゃん
 文香のこと」

「……………そうだよ
 好きだよ
 あいつのこと」

「おー!
 奏斗先生が素直!
 素直すぎて逆に怖い!」

「んなっ!
 ひどっ!
 そんなこと言うなら次の日曜日付き合えよ!!」

「何に?」

「出掛けるぞ!」

「えー、私まだあまり歩けないよ?」

「知ってる
 だからリハビリもかねて」

「まぁいいけど」

「絶対だからな!?」

「はーい」

そこで雄斗が戻ってきた

「あっ、雄斗!
 日曜日出掛けるね」

「……誰と?」

「奏斗先生」

「はぁ?
 何しに?」

「デート!」

私が言う前に奏斗先生が答えた

「奏斗、バカ?
 そんなの行かせる訳ないだろ」

「えー、何でよ
 たまにはいいじゃん
 雄斗は仕事だろ?
 家で寂しくお留守より出掛けた方が楽しくね?」

「仕事だけど………香音とデートはさせない!
 だいたい香音は俺のだって言ってるよな?」

「あっそ
 香音、雄斗が仕事行ったら迎えに来るから!
 準備しとけよー」

「あっ……はい!」

「だから!
 香音行っちゃダメ!!
 どこか行きたいなら俺が連れてくから」

「雄斗……別に私が出掛けたいんじゃなくて……奏斗先生がちょっと付き合ってくれって…………」

「そうだぞ!
 香音は何も悪くないんだ!
 悔しいならお前も仕事休め」

「クソッ…………簡単に休めないのを知ってて言ってるよな?」
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