私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「雄斗………ずっと一緒……………」

「一緒だよ
 10年後も20年後も………その先もずっと
 俺は何があっても離れないから」

「もう………嫌だよ………
 大切な人………失いたくない…………
 おかぁ……さん……………」

「ん、いいよ
 好きなだけ泣きな」

「うぅ…………ゆぅ………と……………」

そして雄斗の腕の中でたくさん泣いた

雄斗の服がびしょびしょになるくらい


それでも雄斗は抱きしめてくれていた



















「………雄斗…………」

「ん、大丈夫か?
 落ち着いた?」

「うん………ごめん………」

「謝るなよ
 俺がしたくてやってるんだからさ!
 それに香音の気持ち知れたし」

「…………なんか恥ずかしい………」

「どうして?
 香音はもっと自分の気持ち言っていいんだよ?
 普段言わなすぎ」

「でも…………」

「でもじゃない!
 周りに気を使うのは偉いよ?
 香音の良いところでもあると思う
 でもさ、俺には気を使わないで色々言って欲しいな」

「…………………」

「香音の本音が知りたい
 いつも頑張ってるんだよ?
 香音の言葉に隠された本当の願いを考えるのに」

< 437 / 529 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop