天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
 ちょっぴり人間味が出てきた彼にほっこりしていると、城戸さんも口元を緩めて暁月さんに言う。

「昨日の無線が壊れた時も、相良さんだいぶ心配してたんだぞ。暁月のこと」

 ぴくりと反応するお義父様。確かに、トラブルが起きた時の彼は珍しく動揺していたのが見て取れたので、私も頷いた。

 暁月さんは戸惑いを露わにしてお義父様を見つめる。

「俺がパイロットになって、妬ましく思っていたんじゃないのか?」

 問いかけられ、お義父様は飛び立っていく飛行機を眺めながらゆっくり話し出す。

「正直、最初は妬ましかったし羨んだよ。自分が叶えられなかった夢を子供に託そうと思えるような男じゃなかったからな、私は」

 しかし、暁月さんに目線を向けた彼からは、いつになく穏やかで優しい雰囲気が漂う。

「いつまでも干渉してはいけないと自覚していたから見守ることにしたが、パイロットとして活躍する姿を見ているうちに、自然に嬉しい気持ちが湧くようになっていた。昨日も、冷静にトラブルを対処したお前を誇らしく思った」

 彼の口から温かい言葉が出るのが意外だったのか、暁月さんは一瞬呆気に取られたような顔をする。目を逸らして「今さら父親らしいこと言って……」と呟いていたが、たぶん彼も照れているのだろう。

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