可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─

しばらくベアトリスとジンと同じテーブルに座ったサイラスは、二人の異常な関係に気が付かないわけにはいかなかった。


ベアトリスとジンは種族を越えて、お互いに心の距離を縮め始めているのだ。


ベアトリスは柔らかく笑い、ジンも目を細めて笑い、時折ベアトリスの薄い肌の手に触れたりもする。


無理やり生き血ジュース茶会に招かれ、座らされたサイラスにはジンの意図がわかった。サイラスに、この生贄姫と懇意にしていると紹介したかったのだ。


長寿族の賢者サイラスは

魔王の右腕、魔国のご意見番だ。


部屋に招くほど気に入った人間の妻をどう思うかと、聞きたいのだろう。答えは簡単だ。



(気持ち悪!!)

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