不埒な上司と一夜で恋は生まれません
その頃、耀はちょっと眠気を感じたので、社内を歩いていた。
最近、寝ようとすると、あの日の記憶が蘇って、なんとなく眠れないのだ。
社内の呑み会で、呑み屋にいたはずなのに、気がついたら自宅のベッドで眠っていた。
目の前に何故か石崎和香がいて。
押し寄せる眠気を堪え、帰ろうとする彼女の腕をぐっとつかんだ。
「石崎……?」
と呼びかけると、和香が自分を見つめる。
会社で見るのとは違う雰囲気の和香の表情がなんとなく心に残った。
美人だが、変わった女だな、という印象だったんだが。
あの日の和香は、何処かどうとは言えないが、いつもと違っていた。