「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 いずれにせよ、おれは連中にとって邪魔者でしかない。

 それこそ、「いいとこ取り」のよそ者だ。

 いずれにせよ、だれかしらと衝突あるいは争うことになる。

 そう考えると、カヨを連れて来るのではなかった、といまさらながら後悔してしまう。

 彼女といっしょにいたい。

 そんな考えは、しょせんガキのワガママにすぎなかったのである。

 後悔に苛まれている途中でエドムンドとフェリペが戻って来た。

 外はすっかり暗くなり、カヨが居間の灯火に火を灯してからしばらくしてだった。
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