「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「あの、すみません」

 そのとき、それまでジッと黙っていたフェリペがおずおずと口を開いた。

「あの、カヨ様って『世紀の悪女』なのですか?」
「はあ?」

 突然の想定外の問いに、クストディオとエドムンドと顔を見合わせてしまった。

「そうか。きみは、こっちの国で活動していたんだっけ? そうだよ。カヨは、アルファーロ帝国では『世紀の魔女』と呼ばれ、怖れられていた。しかも、ものすごく強烈で強力な悪女だ。フェリペ、きみみたいに可愛かったら、取って食われてしまうかもしれない。気をつけることだ」
「クストッ!」
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