「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 目指すは厨房。

 そこなら料理用の葡萄酒があるはずだ。

 ふだんはめったに葡萄酒を飲むことがないのに、このときだけは無性に欲しくなった。

 もしかすると、なにか虫の予感のようなものがあったのかもしれない。

 結局、そのなにかは的中した。

 厨房で交わされているエドムンドとフェリペの会話をきいてしまったのである。

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