「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「あなた、いい香りですね」
「えっ?」
「ローズティーです。濃厚な香りですわ」
「あ、ああ。そうだな」

 夫婦らしくクストディオに振ってみたのに、彼ったらドギマギしてどうしたというのかしら?

 それを横目にしつつ、カップから漂う濃厚な香りを堪能してから口に含んだ。

「美味しいですわ」
「ああ、美味い」

 クストディオも隣で感心している。

 しばしローズティーを味わい、気持ちを落ち着けた。
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