「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「フェリペ、わたしのことで怒ってくれてありがとう。でも、ある意味ではおバカに感謝しているの。こうして面白いことが出来ているのは、おバカが婚約破棄してくれたお蔭だから。だから、そんなに怒らないで」
「カヨ様は、ほんとうにおやさしい方ですね」
「やさしい? わたしが? ちょっと、クスト。いまのきいた? フェリペは、人の本質を見抜く力があるのよ。あなたみたいに、せっかくのわたしの提案をバカにしたり嘲笑ったりすることはないの」
「おいおい、カヨ。そのようなことはしたり言ったりしていない。おれはただ、きみにそのようなことをしてもらいたくない……」
「言い訳はやめてちょうだい。もういいから。エド、わたしも第一王子に会いたいわ。もちろん、わたしの魅力とは関係のない意味でね。宰相のときのように会えないかしら? そして、味方に出来たら最高だわ」
「カヨ様は、ほんとうにおやさしい方ですね」
「やさしい? わたしが? ちょっと、クスト。いまのきいた? フェリペは、人の本質を見抜く力があるのよ。あなたみたいに、せっかくのわたしの提案をバカにしたり嘲笑ったりすることはないの」
「おいおい、カヨ。そのようなことはしたり言ったりしていない。おれはただ、きみにそのようなことをしてもらいたくない……」
「言い訳はやめてちょうだい。もういいから。エド、わたしも第一王子に会いたいわ。もちろん、わたしの魅力とは関係のない意味でね。宰相のときのように会えないかしら? そして、味方に出来たら最高だわ」