「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「伯父貴がベネディクト、つまり第二王子を国王にしたいという真意はそこだ」

 でしょうね。アルマンドやクレメンテが国王になったら、王弟が力をつけることになる。その後ろ盾になれば、実質この国を操ることが出来る。

「というわけで、おれやヘルマンにしてみれば、ベネディクトが国王になるくらいなら、クスト、まだおまえが国王になった方がマシ、というわけだ。クスト、おまえならいくらなんでもおれやヘルマンを暗殺したり破滅させたりはしないだろう? まあ、王宮から放り出すことはあるかもしれないが」

 だから利害が一致したわけね。

 状況が一変してしまった。

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