「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
【クストディオ・トルタハーダ視点】

彼女に認められたい

 事態は一変した。

 ヘルマンが勝手に情報を流していた。

 宰相にふんぎりをつけさせる為に。

 つまり、宰相におれたちをどうにかさせようというわけだ。

 ヘルマンの奴……。

 心の中で歯噛みしたところでもう遅い。

 おれたちの居場所に加え、おれ自身が国王の座に就く切り札を持っている。

 そうきけば、宰相は動かざるを得なくなるだろうか。

 逆に罠だと考えないだろうか。

 いずれにせよ、なんらかの動きはあると考えた方が無難だ。

 だから、カヨと二人で地下室にこもっているよう、エドムンドとフェリペに促された。
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