「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「おいおい、ヘルマン。いまさらそんなことを言うのか? 取り決めをしたよな? 彼女を妻にするのはこのおれだって」
「あのときは、計画をスムーズに進めたかったから同意しただけだ」
「ヘルマン、おまえなあ」

 なんてことかしら。ヘルマンまで内輪もめに加わった。

 しかも、わたしの才覚(・・)を巡って。

 わたし、そこまですごかったかしら?

 彼らの判断の基準がよくわからない。

 でもまあ、たしかに悪い気はしない。
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