ヴァンパイアな彼等

「…今の、なに?」

私が信じられない面持ちで、目をパチパチとしばたたかせた時。

「それはこっちのセリフ。お前…本当に何者?」

と、翔月が訝しげに問いかけてくる。

「ちょっと姉さんに"お前"とかやめてくれる?そもそも、そっちこそ何者?何で人間の学校にヴァンパイアがいるんだよ」

そんな私への態度が気に入らなかったようで、冬夜が翔月に噛みついた。

すると。

「君こそ、先輩に対する口の効き方なってないんじゃない…?どこの家系か知らないけど…礼儀知らずだね」

「ほんと、ほんと。怜也くんの言う通り。キミさ、初等部かな?あんまり調子乗らない方がいいよ?」

無表情な怜也と、笑顔の凪はそれぞれ冬夜に向かってそう言い放つ。

一触即発な空気に私は弟に対して「冬夜、やめて。私は大丈夫だから」と声をかけた。

「でも、姉さん…!」

「お願いだから、ね?」

「…っ。わかったよ」

納得がいかないという雰囲気を漂わせながらも、冬夜は私の意向を組み、押し黙る。

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