ヴァンパイアな彼等

冬夜こと、東雲冬夜は、小学4年生。
10歳になる私の5歳下の弟だ。

『僕は別にヴァンパイアだろうが、人間の学校だろうがどっちでもいいよ?てか、姉さんを侮辱するような単細胞が集まる学校よりも、人間の学校の方が遥かに有意義かもね』

そう言って、クスッと不敵な笑みを浮かべる冬夜に母の目が輝いた。

『まぁ…!さすが我が息子!ほら、冬夜もこう言ってるし、人間の学校に通うのも選択肢の1つよ?私はね、柚葉…あなたの好きなことをしてほしいの。NVってだけで、あなたには窮屈な思いを小さい頃からさせてきてしまったし…』

『ううん。お母さんたちは私のこと1番に考えてくれてるから窮屈な思いなんてしたことないよ。まぁ、でも…高校の3年間くらい普通に生活するのも悪くないかもね』

『…!!そうでしょ〜。実はね、良い学校があるって勧められた所があってね?ここなんだけど…』

ウキウキと、母が持ってきたのは、私立羽南(はなん)高等学校と書かれた学校のパンフレットだ。

『わぁ…制服可愛い〜。初等部もあるのね』

『でしょう?柚葉も冬夜も絶対に似合うと思うの』

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