ヴァンパイアな彼等
母に羽南学園への進学を勧められたのが約半年前。気づけば、残りの中学生活はあっという間だった。
やっぱり、何か目標を持って取り組んでいると時間の経過が早く感じるのかな?
勉強に集中している間は、クラスメイトたちの嫌味もシャットアウトすることができ、幾分か生活しやすくなったように思う。
両親の姿が見えなくなった頃、私はようやく自分の教室へと足を向けた。
友達…できるといいな。
幼い頃から、NVというだけで周りから煙たがられていた私にとってはそんな普通のことでさえ、ハードルが高いのだ。
緊張でドキドキと高鳴る鼓動を押さえつつ、私はクラスへと続く廊下を歩く。
この学園では、ヴァンパイアと関わることなんてほぼないだろうし…NVだからって私を馬鹿にする奴等もいないのだ。
よし、私も高校生活楽しまないと…!
心の中で、1人そう勢い込んでいると。
「あ、あの…」
突然、後ろから声をかけられた。