ウチの居候ヴァンパイアくん。
「だって、おなかすいちゃって。」

由里がそう言うと、アキラはご飯茶碗とコップをテーブルに置き、半分呆れたような様子で言った。


「仕方ないなあ、さっと乾かすから、ソファに一旦座って。」


しかし、由里は手をヒラヒラさせながら「髪短いからそのうち乾くよぉ。大丈夫大丈夫!」と反論し、早く夕飯にありつこうと椅子に座りかけた。


「でも由里さん、そのせいでこの前風邪ひいたでしょ!ほら、こっち来て。」


アキラはそう言うと、由里の手を取ってソファに誘導した。


由里はブツブツ言いながらも、アキラの指示に従ってソファに腰かけた。


「じゃ、始めるよ。」


いつの間に準備したのか、アキラはドライヤーと櫛を持ち、早速、由里の髪を乾かし始めた。


——アキラに乾かしてもらうと、髪がサラサラになるんだよねえ。不思議なことに。


手際よくドライヤーと櫛を動かすアキラに身を任せて、由里は目をつむる。


櫛を入れられる度に適度に頭皮が刺激されて気持ちがいい。由里は一瞬ウトウトしてしまった。

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