【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
策略者
悟志の無事も確認したし、あとの問題は私が誰と吸血契約をするのか、だ。
恋人契約とも言われるもの。
契約解除も出来なくはないけれど、一度契約するとヴァンパイア側の執着が強くなるらしくて解除する人はほとんどいないんだとか。
そういった理由もあって、私はまだちゃんとは決めることが出来ないでいた。
……それに、目下の悩みは。
「ねぇ緋奈先輩! お礼をどっちにするか決めてくれた?」
寮に帰る道のりの途中。
腰を折り、無邪気そうな笑顔で見上げてくる沢くんに私は頬を引きつらせる。
くっ、あざと可愛い!
吸血か、キスか。
どちらかを悟志を探してくれたお礼としてもらいたいと言った沢くん。
実際に悟志を探し出してくれた以上、約束は守るべきなんだろう。
その約束を私は了承していないけれど。
「沢、緋奈はその約束OKしてないんだろ? そんなのは無効だ!」
今日はたまたま一緒にいた潤くんが兄として沢くんを止めてくれた。
沢くんを相手にするときは頼りになるなぁと思って少し見直していたんだけれど……。
「ったく……緋奈、俺と契約しろよ。そうすれば沢に手出しなんかさせねぇから」
「……」
見直して損した。
恋人契約とも言われるもの。
契約解除も出来なくはないけれど、一度契約するとヴァンパイア側の執着が強くなるらしくて解除する人はほとんどいないんだとか。
そういった理由もあって、私はまだちゃんとは決めることが出来ないでいた。
……それに、目下の悩みは。
「ねぇ緋奈先輩! お礼をどっちにするか決めてくれた?」
寮に帰る道のりの途中。
腰を折り、無邪気そうな笑顔で見上げてくる沢くんに私は頬を引きつらせる。
くっ、あざと可愛い!
吸血か、キスか。
どちらかを悟志を探してくれたお礼としてもらいたいと言った沢くん。
実際に悟志を探し出してくれた以上、約束は守るべきなんだろう。
その約束を私は了承していないけれど。
「沢、緋奈はその約束OKしてないんだろ? そんなのは無効だ!」
今日はたまたま一緒にいた潤くんが兄として沢くんを止めてくれた。
沢くんを相手にするときは頼りになるなぁと思って少し見直していたんだけれど……。
「ったく……緋奈、俺と契約しろよ。そうすれば沢に手出しなんかさせねぇから」
「……」
見直して損した。