【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
絡まれていた方が勝ったんだから、変に通報とかしない方がいいかな? と考えていると、ヴァンパイアの彼がこちらを見た。
少しは殴られたのか、唇を切ったらしく赤い血がにじみ出ていて――。
そして私は、自分の中から熱いものが溢れるのを感じた。
今思えば、あのときの私の目はバラ色になっていたんだろう。
ヴァンパイアが吸血衝動を抑えられなくなるという薔薇乙女の目に。
だから黒髪のヴァンパイア――満くんは、抑えられずに私に咬みついた。
人間をたやすく打ちのめす力。
突然の吸血行為。
『すごいな……もっと、君が欲しい』
吸血が終わった後も治まらない欲の込められた黒曜石の目。
そのすべてに、恐怖した。
『ひっ! ぃやっ、やだぁ!』
恐慌状態になった私はとにかく暴れて、落ち着かせようとする満くんの手を振り払う。
『チッ! これじゃあ契約もままならない……仕方ないか』
悔し気な声が聞こえたと思ったら、強い力で両肩を掴まれた。
妖しく光る黒の瞳と目が合うと、私は動けなくなる。
『今日のことは忘れるんだ……もう一度、出会いをやり直そう』
『あ……』
催眠をかけられているのだと分かったときには、私の意識は薄らいでいた。
そうして、私はあの日のことを忘れてしまっていたんだ。
少しは殴られたのか、唇を切ったらしく赤い血がにじみ出ていて――。
そして私は、自分の中から熱いものが溢れるのを感じた。
今思えば、あのときの私の目はバラ色になっていたんだろう。
ヴァンパイアが吸血衝動を抑えられなくなるという薔薇乙女の目に。
だから黒髪のヴァンパイア――満くんは、抑えられずに私に咬みついた。
人間をたやすく打ちのめす力。
突然の吸血行為。
『すごいな……もっと、君が欲しい』
吸血が終わった後も治まらない欲の込められた黒曜石の目。
そのすべてに、恐怖した。
『ひっ! ぃやっ、やだぁ!』
恐慌状態になった私はとにかく暴れて、落ち着かせようとする満くんの手を振り払う。
『チッ! これじゃあ契約もままならない……仕方ないか』
悔し気な声が聞こえたと思ったら、強い力で両肩を掴まれた。
妖しく光る黒の瞳と目が合うと、私は動けなくなる。
『今日のことは忘れるんだ……もう一度、出会いをやり直そう』
『あ……』
催眠をかけられているのだと分かったときには、私の意識は薄らいでいた。
そうして、私はあの日のことを忘れてしまっていたんだ。