「一緒に虹を、見てみたい」






 今とは違う気持ちでこの家に来て、色んなことがあって、トラウマを克服して、そして今は、嶋原君のことを待っている。

 私、どんどん歳を重ねて、色んな経験を積んで、大人になっていく。

 来月は二十歳の誕生日を迎え、いよいよ大人の仲間入り。

 やがて大晦日、私達三人は、近くの神社でカウントダウンをしていた。

「3、2、1……」

 ゴーン、と除夜の鐘が鳴ると、神社に来ていた人達とおめでとう、と挨拶を交わす。

 また、新しい年の幕が開いた。今年は一体、どんな一年になるのだろうか。

 そして、三が日の間に初詣を済ませると、授業があるため一旦都市に帰ったものの、一月半ばには成人式を控えており、またすぐに地元へ帰ることになっていた。






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