ケダモノたちのお姫さま
これからいっしょに住むから
次の日。

麗帝学園に通う最後の日。


紅羽さんや雪夜さんへの誤解は解け、藍が一応守ってくれているということで、わたしはファンクラブのコたちから追われることはなくなり、この日はとても穏やかに過ぎていった。


秀峰とは高い塀を1枚隔てただけの隣同士だけど、まったくの別世界だった。


違う学校に行けるだなんて、顔がそっくりの双子だからこそできたこと。

バレないか不安もあったけど、とっても刺激的だった。


放課後。

藍に話をしようと思ったら、姿が見えなかった。


そういえば、5限から授業に出ていなかった気がする。

またどこかで寝てるのかな。


明日からはわたしじゃなくて、本当のうみちゃんが婚約者のフリをするんだよってことを伝えたかったんだけどな。


でも、いないのなら仕方ない。
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