ケダモノたちのお姫さま
返してもらおうか、ウチの嫁を
振り返ってみると、冬休みはあっという間だった。


大晦日には久しぶりに実家に帰り、うみちゃんと新年を祝った。

しかし、なぜか藍もいっしょ。


「藍くんってずっと雲の上の存在だと思ってたから、まさかウチにきてくれるなんて思わなかった〜!」

「本当にこうして並んでみると、2人ってよく似てるんだな」

「「双子だからね」」


双子テレパシーが発動し、うみちゃんと声が重なる。


「藍くんとそらちゃんだって、並んでたらお似合いのカップルだよ♪」

「う…うみちゃん!べつにわたしたち、付き合ってるわけではないからね…!」


思わず、お雑煮のお餅をのどに詰まらせかけた。


もう…藍も否定してよ。

なに聞いてないフリして、マイペースにジンジャーエールなんか飲んでるの。


そうして朝陽家では、いつもとちょっと違うかたちで年が明け、お正月をのんびりと過ごしていたらもう新学期。
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