ケダモノたちのお姫さま
あんなことやこんなことしておいて?
…コンコンッ

「ここ開けて〜」


紅羽さんは、窓の鍵を開けるようにと指さしている。


変な音の正体は、紅羽さんが窓ガラスをたたく音だった。


――って言っても、ここ…2階ですけど!?


わたしは慌てて、言われたとおりに窓ガラスの鍵を開ける。


「ふ〜!ようやく入れた〜。このへんの窓、全部閉まってたから入れなかったんだよね」


2階校舎の窓ガラスからの突然の侵入に、わたしはぽかんとして紅羽さんを見つめていた。


身長が180センチ近くあるだろうか。

無愛想男も長身なのに、それよりも紅羽さんのほうが背が高かった。


身長160センチのわたしは、ただただ見上げるばかり。


「あれ?藍もいたんだ」

「相変わらずですね、紅羽さん。突然現れるのは」


紅羽さんのほうが年上だからか、同じ四天王でも無愛想男は話し方をわきまえている。
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