Galaxyな彼は、【完】


「光も好きそう。何が入ってるのかな…、家でも再現できるかな…?」


光はお肉大好きだからね。きっとこの味付けも好きだと思うんだけど、ただのローストビーフじゃないことしかわからない。


…何か隠し味があるはずなんだけど。


「こんなところでも家のことかよ」


って笑ってくるから、


「癖だね」


って、つい笑い返してしまう。



「海らしくていいじゃん」


そうやって、いつも肯定してくれる彗に心がぽかぽかする。


周りの騒がしさも聞こえなくて、ドラマの打ち上げだなんてことも忘れて、無意識にいつも通り話してしまう。



「彗くーん」



現実に呼び戻したのは、ルナさんのその透明な声だった。


振り返るとワイングラスを持って微笑むルナさんの姿。

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