Galaxyな彼は、【完】

  

『んー、声聞きたいなって』



電話越しの声でさえ、キュンとしてしまう。


いつもどうやって躱(かわ)せばいいかわからなくなる。


『心配してくれたんだな』


「え?」


『海のことだから、この間のこと心配してシチュー作ってくれたんだろ?』


ああ、彗には全てお見通しだったみたい。


変なところで鋭いから困る。


「…さぁね。」


するとふふって呆れたような笑い声が聞こえた。



「…もう大丈夫なの?」



『ん、海のおかげで大丈夫になった。』



「…なにそれ。」


きゅんとする胸。


ほんと、そういうところだよ彗は。


『シチューまた作りに来て。勝手に合鍵ではいっていいから』


「…そんな、彼女じゃないんだから」


ただの幼馴染だもん。さすがにそんな踏み込んだことはできないよ。
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