学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした



【秦野芽衣side】


話している最中に、急に先輩が倒れた。

幸いにも学校内で昼休みだったから、その辺の人たちに助けを求めて、保健室まで運んでもらった。

先生はいない。

いても理由説明できないし、それに関してはいない方がいい。

けどどうしていいかわからず、いろいろ思考を巡らせているときだった。


「あ〜、俺倒れちゃった?」


「先輩!大丈夫ですかっ!?」


「うん、大丈夫。」


「聞き方間違えました。
なんで倒れちゃったんですか?血は飲んでるんですよね?」


「昨日の分飲み忘れたかな〜。」


「もう誤魔化しは通用しませんよ。ここ数日はずっと体調悪そうだったじゃないですか。」


「……バレてたかぁ。」


「バレますよ。
そろそろ本当のこと教えてください。」


「……純血は人工血液じゃ生きていけないんだ。」


「でもこの間は…。」


「混血は人工血液で大丈夫なんだ。だから、俺もワンチャンあるかなーって思ったんだよね。」


「……なんとか記憶保持したまま、吸血できないんですか?」


「…できない訳では無いよ。」


「ほんとですか!?なんでそれをもっと早く言ってくれなかったんですか?」


「あんまり良い方法じゃないんだ。」


「それでもいいです。どうすればいいですか?教えてください。」


< 23 / 34 >

この作品をシェア

pagetop