学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした
【秦野芽衣side】
話している最中に、急に先輩が倒れた。
幸いにも学校内で昼休みだったから、その辺の人たちに助けを求めて、保健室まで運んでもらった。
先生はいない。
いても理由説明できないし、それに関してはいない方がいい。
けどどうしていいかわからず、いろいろ思考を巡らせているときだった。
「あ〜、俺倒れちゃった?」
「先輩!大丈夫ですかっ!?」
「うん、大丈夫。」
「聞き方間違えました。
なんで倒れちゃったんですか?血は飲んでるんですよね?」
「昨日の分飲み忘れたかな〜。」
「もう誤魔化しは通用しませんよ。ここ数日はずっと体調悪そうだったじゃないですか。」
「……バレてたかぁ。」
「バレますよ。
そろそろ本当のこと教えてください。」
「……純血は人工血液じゃ生きていけないんだ。」
「でもこの間は…。」
「混血は人工血液で大丈夫なんだ。だから、俺もワンチャンあるかなーって思ったんだよね。」
「……なんとか記憶保持したまま、吸血できないんですか?」
「…できない訳では無いよ。」
「ほんとですか!?なんでそれをもっと早く言ってくれなかったんですか?」
「あんまり良い方法じゃないんだ。」
「それでもいいです。どうすればいいですか?教えてください。」