学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした
「わかった。いいよ。」
寂しそうな顔で頷いて、私に一歩近づいた。
言葉もなくそっと抱きしめられて、私の首筋に先輩の唇が軽く触れる。
「今までごめんね。」
「先輩ってすぐ謝りますね。」
「ごめん、あっ…。」
「ふふ、また謝ってる。
私先輩といて不快だとか嫌だとか思ったこと、1回もないですよ。
私の事ばっか気にかけてくれる優しい人で、何かあればすぐ助けてくれたし、カッコよくて、大好きでした。」
「…俺も大好きだった。
多分これからもずっと好きだよ。」
首筋に僅かな痛みがあって、やっと少しは先輩の役に立てたかと思っているうちに、意識を手放した。