飲んで、のまれて 愛されて



記憶が残っていたことを一通り説明したら蘭くんはソファーに正座して真剣な眼差しで私の方を見た


「彼氏…に俺からも説明するから!1発なら殴られる覚悟もある…!!」




あまりにも真剣な顔で言われるもんだから
私は笑ってしまった


「あははは!彼氏がいるなんて誰から聞いたんですか!!」


「いや、朱羽ちゃん可愛いし指輪してるし…」


蘭くんは私の右手薬指にある指輪を指さし言った


「あぁ!!この指輪は男避けです…!」


「男避け……???」


蘭くんはキョトンとした顔で首を傾げる


「仕事に集中したいので、今は恋愛したくなくて…。だからナンパ避けとしてつけてるんです」


蘭くんは私の説明に目をまん丸にしてなるほどと笑った


「彼氏おらんのか…!良かった…
あっ!いや!今の良かったはそういう意味じゃなくて!!!」



「分かってますってば…!!」



蘭くんの喜怒哀楽がとても面白くて私はずっと笑っていた


こんなにも笑ったのはいつぶりだっただろう

ほんと、Flowerに集まる人はいい人ばっかりだなあと改めて実感した



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