夢心地恋

プロローグ

夢の中で目が醒める。
「ゆいこっちおいで」
途端高鳴る胸。ハッとして前を見るとにこやかに微笑んでいる彼。薫という名の現実では見た事も聞いたことも無い私の夢の中で彼氏として現れる謎の男だ。
「うん!今そっちに行くよ!!」
私ゆいはそんな薫と付き合いをし、あろうことか夢から醒めても薫に恋をしている。
夢の中だけという限定的な時間。朝7時に鳴るアラームに邪魔される関係だ。
ハグをしたり他愛もない会話をしたり夢の中で添い寝したり、夢という事を除けばただのそこいらにいるカップル。

どれだけ願っても私が夢の外で薫と会うことはないのか。
神様に寝ても醒めても祈る。
この物語は私ゆいと彼薫の夢の中の恋物語である。
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