いつどこで誰が何をした

相変わらず校門の前にいるスーツの連中。
まさか今日最終決戦が行われるなんて微塵も思ってないんだろうなぁ。
結局心底役立たずだった。

「桜木正孝さん」
僕はある人物の名前を呼ぶ。
「…新田ひかるくん。私の名前を覚えていたんだね」
過去に父さんの事件に関わった刑事。


「あなた方はこのゲームに関する捜査をしていたんですか?」
単刀直入に切り出す。
隣にいる東坡が謎にガンを飛ばしてくれている。

「……」
答えられないのか。
無言が答えですか。察しろってか。
「クラスメイト達は…たとえ生き残っても、あなた方を一生恨むでしょうね」
あまりにも使えないので。


「…すまない。防犯カメラで君達の様子を見ていた。誰も手を加えていないのに…いきなり血を吐いて倒れたり…破裂したり……明らかに普通ではないことが起きていた…」
ふつうね。
「恐ろしくなった…。そんな常軌を逸した空間に…毎日通い、順応している君達が…心の底から恐ろしかった。お手上げだったんだ…。何もできない…関わったら…我々の命も……」

まあそうか。
『普通』そう考えるか。
恨まれたっていい迷惑かな。

「…仕方のないことですね。すみません一生恨むなんて言って」
一切の感情を込めず淡々と言った。
「…いや、恨んでくれ。そうでもしてくれないと…私達は世間に顔向けできない」

知るかよそんなの。お前らが世間に顔向けできなくたって僕らは困らないんだよ。
僕も何年後かには…こうなってしまうのかな。
ま、生きてればだけど。


「一つだけ教えてください。亡くなったクラスメイトのご家族はどうしているんですか」
みんなは家族のもとに帰れたのだろうか。
祐樹のお母さん…何度か僕にご飯を食べさせてくれた。…どうしているんだろう。

「……ご自宅で亡くなられた生徒さんのご両親は…警察や病院に駆けつけて来た。捜査を進めているとだけ伝え、詳細は話していない」
…自宅?じゃあ…
「学校で死んだみんなは?」
「……」

…なんで黙るの?
なんだよその顔…まさか…

「…まさか……言ってないんですか…死んだこと」
「……学校に協力を仰ぎ…うまく事情をつけて、学校で預かっていることにしている……今の段階では…まだ」


東坡が息を呑む。
そらそうだ…信じられない。
既に自分の子供が死んでいても…そのことに気づかされていないということか?
学校で…今まで通り生きていると思ってる?
いつか帰ってくると…当然のように信じて毎日を過ごしているのか?


……言えないもんなぁ。
急に吐血しました首が千切れましたなんて。
言えないもんなぁ。
僕の代わりに屋上から飛び降りましたなんて。
言えないもんなぁ。
デスゲームに参加していますなんて。

あはは、狂ってるのはどっちだよ。
お前らの方がよっぽど狂ってるだろ。
何一丁前に被害者ヅラしてんだよ。


まあいいや。こいつらの断罪は僕がやらなくてもいつか世間がやってくれる。
隠し通せるわけがないんだから。


今の段階ではまだ隠している…って言ったよね。
つまり…僕らのクラスが全滅するのを待ってるんだね。
証言者がいなくなればなんとでも言えるから。

…絶対生き残ってやる。



「に、新田くん!」
僕らは桜木正孝の声を無視して校舎に向かった。

「昨日言われた君のクラスの担任教師と連絡が取れたんだ!注射を受けてない生徒さんはっ…」
「あーもういいです」

犯人分かったし、僕も…とある事を確認できたので。

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